2024年に結局2機種を買い足したARグラス、XREALシリーズ。
PCに繋いでもスマホに繋いでも、大画面モニターが気軽に使えるデバイスとして外出時の作業環境を快適にしてくれています。そんなXREALがAR for AIlを掲げて発表したXREAL One。
結論、「XREAL OneがARグラスを未来に進めている」。その未来に一歩近づいたデバイスについて、事前に貸与をいただいたので感じたことを書いていきます。
目次|
1. 複数の装置が1つになった
今回XREAL Airシリーズから XREAL Oneとなってデバイスの大型アップデートが起こりました。それが3DoFの単独対応。
何がすごいかというと、この機能はXREAL Airシリーズだと
- XREAL Beam / XREAL Beam Pro または PC
という別のデバイスが必要でした。
3DoFや6DoFと呼ばれるスタビライズ機能は、体や頭の動きをX軸・Y軸・Z軸で解析して、映像の揺れを抑えたり空間に固定する能力です。Meta Quest 3以降で感動したのが映像の空間固定で、以前は処理をデバイスに任せて、XREAL Airには映像表示のみが行われていました。
それをXREAL OneではX1チップによって、ARグラスの中で処理することが可能になりました。
これによって画面を空間に固定することが可能に。
映像も滑らかに映り、カクツキも感じない。酔わない。この進化がXreal Air 2から1年の間に起こっていることがすごいです。
そして、頭を振っても滑らかについてくる「追従モード」と視線の端に映像を置いておける「サイドモード」が選べるので、利用状況を気持ちよくコントロール可能です。画面の大きさもXREAL One単体で調整が可能。
本当に、すごい。
2. 映像・音響も着実に進化
さらに、ARグラスにおいてのメイン機能である映像と音響も着実に進化しています。映像機能は大きく3つに分かれると思っていて、XREAL Air 2 Proと比較すると
- 視野角|47 → 50
- 解像度|Full HD → Full HD
- 明るさ|500 nit → 600 nit
上記の2つが改善され、どちらもよくなっていることがわかります。音響面でもBoseオーディオによるチューニングを実現。確実に製品としての完成度が上がっています。
そしてXREALのいいと思う点は、これらがしっかりWeb上に比較掲載されている点。ぜひ、サイトで見てみてほしいです。
とはいえ、開発者向けのXREAL Air 2 Ultraを使っている僕は視野角で少し優位でした。(52度)
3. XREAL Oneを触ってみる
改めて、XREALから貸与いただいたXREAL Oneを触ってみます。
まず、箱。
めちゃくちゃかっこよくて開封する時にとてもワクワクしました。XREAL Air 2 やAir 2 Ultraは簡素で軽いのですが、一度開封してしまうと閉まらなくなるのです。
また収納ケースは下半分が少しカットされてよりコンパクトに。
箱の中は取説を含めたシンプルな構造。
ノーズパットの仕様が変わったのは、個人的に良いと思いました。以前は外す際に力が必要だったのが、今回からは軸が固定されています。
パットだけ取り外して付け替え。LサイズとSサイズだと、このくらい違いがあります。
パッドの当たり具合もソフトでよかったです。
また、ヒンジの精度がとても良くなったなと思いました。開くとしっかり止まり、閉じるときはスムーズ。
目に見えてヒンジの金属部分が大きくなっています。
スピーカーサイズも目に見えて大きくなっているのですが、Air 2 Proから音質は良く感じました。
デザイン面に大きな変化もなく、カメラも後付けが対応とのこと。
そして、ソフトを操作するために生まれた赤ボタン。
ここがかなり変わりました。
クリックもしやすく、上のボタンも押しやすい。ただ、赤いボタンを押そうとして握ると上のボタンを押してしまうことや、ダブルクリックによる「決定」の動作に慣れが必要だと感じました。
デザインもシンプルで相変わらずいいですね。
カバーの色も簡単に外して変更できるとのこと。
実際に使ってみると、案外手ぶれ補正機能があることによる体験の不満点もありました。
というのも、視野角50度だと映像の輪郭が欠けやすく、結果的に画面が狭く感じるのです。
個人的には XREAL Air 2 Ultraで52度全てが画面になる方が、より体験として隅々まで写り広く感じます。映像を見るデバイスとして使うだけなら僕はXREAL Air 2 Ultraで十分でした。
4. デバイスの未来を体感したXR Kaigi
実は、貸与にあたって事前に取材に伺ったのがXR Kaigi@東京 竹芝。
XREALだけでなくさまざまな企業の展示があり、2024年12月10日から3日間開催されました。
SONYやPokemonGoのNiantic、PanasonicやZOZO NEXTなどが出店し、Apple Vision Proがいろんなブースに置いてありました。
その中で入り口に備えられたXREALの文字。
そして、新製品発表会で掲げられたAR for ALL
現地にXREAL Air 2 Ultraを持って、比較できたのも楽しかったです。
この日改めて、XREALが製品にかける熱の大きさを感じることができました。
取材者限定で、グッズもいただきました。可愛い。
ブースも常に盛況で、XREAL OneだけでなくXREAL Air 2 Ultraのハンドトラッキングを含めた複数デモがあり、そこも楽しかったです。
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せっかくなので、少しXR Kaigiの様子も。
SONYのブースではコンテンツ制作用デバイスと、裸眼3Dディスプレイが個人的に楽しかったです。未来がここにありました。
個人的に、SONYの空間再現ディスプレイが一番ワクワクしたデバイス。ぜひ、どこかでみなさんにも触れてほしい。ディスプレイを見ているだけなのに、奥行きがあって物がそこにあるように見える体験です。
楽しみにしていたPanasonicのMegane Xは、さらなる進化に期待。軽いのはすごい。
ZOZO NEXTの新しい購買体験には、Apple Vision Pro。
製品をVR空間上で回したり、開いたりしながら服やバッグを見ることができました。
ほぼ日のアースボールにも、Apple Vision Pro。
個人的に、アースボールの土台がめちゃくちゃよくて。木でできた土台なのに、絶妙に揺らぐ完成度の高さとスマホやVision Proを活用した新しい地球儀体験が最高でした。まだ買っていないのですが、そのうち買いそう。
日本のスタートアップが生み出す、コストが抑えられた投影用レンズを開発するCellid。
デバイスはプロトタイプでしたが、レンズ投影方法がXREALとは異なるため進化に期待。
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XR Kaigiに参加したことで、さまざまなデバイスも触れることができました。
5. さいごに
改めてになりますが、結論としてARグラスを今選ぶならXREAL Oneです。
そしてとても良いデバイスだからこそ、敢えて気になる点も。
あくまでも個人的な感想になるのですが
- 収納時にARグラスとケーブルを外す必要がある
→巻きつけたほうが楽。ただ、傷も付きやすなる? - 視野角50度はまだ没入感が低い
→60度を超えるとさらにワクワクしそう - 3DoFの安定性は高いがフレームアウトが気になり始める
→視野角50度ではまだ表示領域が狭い - 操作中にメガネ正面が暖かくなる
→ソフトウェア更新で改善されたら嬉しい - 操作はダブルクリックなど、やや扱いにくい
→ハンドトラッキングなど、新しい形に期待
また残念ながらレンズフレームは別売り+今までとの互換性はないとのこと。
確かに、今まではノーズパットに装着していたのでレンズアタッチメント単体で外せる設計は良いです。
よーくみると初代XREAL Airのレンズと形が似ており、もしかしたらネジを外すことで対応できるかもしれません。もしそうなると、レンズ代1万円ほど安くなって嬉しいですね。また手に入ったらトライしてみようと思います。
付け加えると、Air 2 / Air 2 Proに装着されていたレンズカバーは無くなりました。
屋外などでの視聴において、調光機能があるので確かに見やすくなります。ただ、レンズ下からの反射により明るい物が反射すると、反射した光が映像体験を大きく妨げてしまいます。ここは将来的に改善されると嬉しいです。
形状が変わらない限り、下からの写り込みは防げないですね。
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とはいえ、XREAL OneはまだARグラスに触れいてない方々にぜひ体験してもらいたいデバイスだと思います。
ソフトウエアもアップデートで調整されていくとのことで、使い勝手はまだまだ向上しそう。実は、海外ではさらに視野角を50→57に高めて投影面を薄型化したXREAL One Proも発表済み。3月以降発売予定とのことで、僕はもう少し待ってみようかと思います。
2025年1月9日にはGoogleやQualcommとの提携なども発表されました。まだまだ、進化は続きそうです。
今後も、XREALが描く未来がとても楽しみです。
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