
初代Nreal Airから追いかけ続けているARグラスの最新機XREAL One Proが遂に2025年7月に日本発売。XREAL Air 2 Ultraだけでなく、Meta quest 3やApple Vision Proと比較しても素晴らしい機種でした。今回は実際に使ってみた比較や従来機との違いと注意点を紹介します。

視野角が過去最も広い57°に対応し、XREAL Eyeを装着すれば仮想ディスプレイの空間固定も可能になった最新モデル。視野角も6DoFも嬉しいのですが、一番嬉しかったのは従来機で気になっていた下からの写り込みが無くなったことです。


目次|
- 1. 現状最高のARグラス
- 2. 新設計のXプリズムが写り込みを消した
- 3. XREAL Eyeとの空間アンカー機能(6DoF)が優秀
- 4. Macbookと接続すればウルトラワイドモニターになる
- 5. XREAL Eyeで写真と動画が撮影可能
- 6. 気になった点は5つ
- 7. さいごに
- おまけ
1. 現状最高のARグラス
どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
1年前には考えられない速度で開発が進んでいるXREALのARグラス。2024年に開発者モデルのXREAL Air 2 Ultraを購入し、移動中にも快適な作業を行うことができました。

飛行機の中やバスの中でパソコンを使うと隣の人の視線が気になったり消灯時にディスプレイの明るさが申し訳なかったり。それがXREALなら解決するので本当に助かります。
そして今年1月に発売されたのがXREAL One。
視野角こそ50°とXREAL Air 2 Ultraの52°にはやや足りないながらも、単体で3DoFを搭載して空間上に画面を固定可能。画面を滑らかに追従させられることも含め画期的な製品でした。

だけど、唯一解決できていなかったことがあります。
それが下からの写り込みの煩わしさでした。
と言うのも、明るい部屋での利用は何かしら下からの写り込みがあります。服だったり手だったり。それがXREAL One Proでは綺麗に解消されました。
2. 新設計のXプリズムが写り込みを消した
下からの写り込みが無くなったこと。この快適さを知ると、前のモデルに戻るのが難しそうです。
ますは過去全てのXREALシリーズで使われていたプリズムがこちら。

一方こちらが新しいXREAL One Proのプリズム。

2つの形状を比較してみると、プリズムが三角形から四角形へと変更されたことがわかります。


このアップデートをしてくれた技術者の方とお話がしたい。本当に素晴らしい改良です。
プリズムが四角形になったことで下からの写り込みは物理的に無くなりました。たかが形状変更と思った方。一度かけ比べて見てほしい。XREAL One Pro、最高です。

さらに形状変更に伴って薄さも向上し、かけた時のサングラス感がより高まりました。自然にサングラスとしてかけながら、ディスプレイを表示して作業が可能。素晴らしいです。
3. XREAL Eyeとの空間アンカー機能(6DoF)が優秀
XREAL OneシリーズとXREAL Eyeと組み合わせて使えるようになった6DoF機能。
そこまで期待していなかったのですが、使ってみると快適そのもので嬉しい誤算でした。

XREAL Eyeによる6DoF対応で可能になるのは奥行きの固定。
この奥行きを固定するからと言って、正直どうなのか?と利用するまでは思っていました。ですが使ってみると当たり前のように画面が空間に固定されているのがわかります。ちょっと姿勢を直した時や、首を曲げてストレッチした時。歩き回っても、目の前に画面が浮いている感覚が強くなりました。(完璧な固定ではなく、少しだけ動きます)

前提として3DoFだと頭を少し動かした時に画面全体が前後に揺れるのを感じます。それがこの小さなカメラ一つで本当に歩いてもディスプレイが浮いているように感じる。すごい機能です。
一方で、XREAL Eyeの取り付けには少しコツが必要でした。

本体についているゴムキャップは、細いもので引っ掛けないと外れません。僕はメガネ用のマイナスドライバーを使って外しました。傷つけないように、そっと。

開けると端子が見えます。

ここにXREAL Eyeを差し込みます。

押し込みはクリック感なく、ジワーッと差し込まれました。
奥まで装着できているか少し不安になりましたが、メニューに「空間アンカー」が選べるようになっていたので装着完了。

おそらく装着したXREAL Eyeを外す選択肢はないと思います。そのくらい空間アンカー機能(6DoF)は快適そのもの。
参考までに、Samsungのスマホを表示するとこのような画面が目の前に広がります。

そして、空間に固定されていると言うことは、画面の裏側に回り込むことができます!

もちろん、こんな使い方は面白いだけで特筆するほどではないかもしれません。ですが、単純に面白い。これは一度体験してみて欲しいです。
一方で、電車など移動中に6DoFを利用すると加速度センサの誤作動から画面が逃げてしまったので、その際は機能をOFFにすることがおすすめです。
4. Macbookと接続すればウルトラワイドモニターになる
XREAL ONEから導入されたワイドスクリーンモードを利用すると、MacBookと接続した際に「32:9」「21:9」の比率を選んでワイドモニター表示が可能になります。
この表示では体感32インチモニターを横に2枚繋げた程度の表示が可能になりました。メニューから簡単に呼び出しが可能なため、操作性も快適です。

実際に表示した画面がこちら。実際は少し湾曲しているので、左右に首を振っても文字の見やすさは落ちません。左から
Youtubeや検索窓|Chat GPT|メインページ(記事執筆)|参考ページ
の4つを開いているのですが、視線を移動するとどれも視認性が高く1枚のディスプレイで作業するより大幅な作業効率を感じました。前モデルのXREAL Oneでもこの機能は使えたのですが、視野角50°から57°に広がったことで一気に実用性が高まりました。僕の設定は画面サイズ201″ 表示距離3mです。
ちなみに本記事はワイドスクリーンモードを利用して0から執筆完了まで作業しました。(およそ4時間。途中10分休憩)
5. XREAL Eyeで写真と動画が撮影可能
XREAL Eyeに接続しているとワンクリックで写真や動画の撮影が可能です。



コントラストが強い室内だと、やや暗めに映るようです。
動画も撮影してみましたが、思った以上に綺麗な映像が撮影可能でした。
この解像度とスムーズさはびっくり。
保存先はXREAL One Proの中で、2GBの保存容量があるとのこと。読み込みもXREAL One Proからメニューを開くことで読み込みモードに移行し、簡単に取り込むことができました。
6. 気になった点は5つ
ここまで、本当に満足度の高いデバイスです。

概ね素晴らしく、現状で間違いなく一番実用的なARグラスだと思っています。そして素晴らしい製品だからこそ期待感も込めて気になったこともメモしておきます。
1. 新製品の度にインサートレンズの形状が変わる
これは本当に残念で、XREAL Oneからもレンズの形状が変わりました。薄くなったプリズムに合わせて、密着しないよう特殊な突起もつけられています。

プリズムとの干渉を避けるための突起。

プリズムの変更とメガネ自体が薄くなったことで、レンズの位置もかなりギリギリを攻める結果になったようです。その結果、突起が採用されたみたい。

手前のXREAL Air 2 Ultraと比較すると、どれだけ薄くレンズとプリズムが近くなったかよくわかると思います。設計上仕方ないですが、今回も専門店で約8,000円のレンズを購入することになりそうです。

形状的には初代XREAL Airのインサートレンズでいけそうにも見えるのですが、ネジ穴や突起が違いそう。厚みも少し変わっています。惜しいですね。

2.91gは軽量だけど2時間作業すると重さを感じる
間違いなく軽量なモデルですが、どうしても2時間程度使うと鼻の上にかかる圧力と、両耳のあたりにかかる側圧が気になり始めました。めちゃくちゃ重いわけでもないので、あくまで重さを感じる程度。
2時間も使うと目も疲れるので、適度に休憩すれば問題なさそうでした。ただ、楽しいから思わず連続で使っていました。

XREAL Eyeが2gしかないことに驚きの方が強かったです。

3. デザインはUltraの方が好き
これはあくまでも個人的な感想なのですが、真ん中にカメラがあると違和感があるなと。

最初からビルトインのカメラが入っていた方がよりサングラス的かと思います。欲を言えば、このまま6DoFに対応して欲しかった…。

Beam Proを利用すれば6DoFになるXREAL Air 2 Ultraですが、単体だと表示のみ。ハンドトラッキングにも対応したすごいやつなのですが、通常使用では中々恩恵を受けず。MacbookアプリのNebura for Macも試しているのですが、XREAL One Pro + XREAL Eyeの満足度にはかなわなかったです。
色々なアプリは開発されているので、また何かあれば報告したいと思います。
4. インサートレンズにまつ毛が当たる
これは個人差があると思うのですが。インサートレンズを装着するとまつ毛が当たってしまって少し汚れてしまうことがありました。

以前のXREAL Air 2 Ultraでもインサートレンズにはまつ毛が当たることがあったので、まつ毛が長い人は仕方ないかもしれません。これは個人差なので、そもそもインサートレンズの改良はすごいですね。ここまで薄くできることに感動しました。
5. 大本命はProject Aura
XREAL One Proの記事に書くことは本末転倒なのですが、XREALがすでにアナウンスした2026年登場予定のProject Auraは大本命だと考えています。

デザインはさらに変更されてカメラ3機搭載。さらに視野角70°という現状58°から12°も向上させることが決定。さらにさらにGoogleとの共同開発によるAndroid XRの最先端機種になることがほぼ約束されています。
めちゃくちゃ楽しみです。
ただし搭乗は早くても1年以上先。来年登場のデバイスを待てるのか、XREAL One Proを買わない理由になるかは、とても難しい課題です。楽しみなのは、間違いないですね。
7. さいごに
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
XREAL One ProとXREAL Eyeの組み合わせ。素晴らしいの一言です。
Boseサウンドも相まって、楽しく作業BGMを聴きながらこの記事を一本作り切ることができました。そのくらい快適に作業可能です。

もう一つ自動調光クロミックというモードも良かったです。オンにすると視線を外すと暗くしていた画面外が全て明るくなり、周りを見ることができるようになります。この機能もでオンにすることをお勧めします。
機種一覧のスペックを表にまとめてみたのですが、XREAL One Proは間違いなく最上位。
| モデル | 価格(税込) | FoV | 重さ | 空間固定 | 発売年月 | ディスプレイ(タイプ/解像度) | 輝度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Nreal Air | ¥39,800 | 46° | 79 g | – | 2022年9月 | Sony 0.55″ Micro‑OLED/1920×1080 per eye | 400 nits |
| Air 2 Pro | ¥61,980 | 46° | 75 g | – | 2023年11月 | Sony 0.55″ Micro‑OLED/1920×1080 per eye | 500 nits |
| Air 2 Ultra | ¥99,800 | 52° | 83 g | Beam Pro 接続で6DoF | 2024年3月 | Sony 0.68″ Micro‑OLED/1920×1080 | 500 nits |
| One | ¥69,980 | 50° | 84 g | 単独3DoF (Eye装着時) | 2025年1月 | Sony 0.68″ Micro‑OLED/1920×1080 | 600 nits |
| One Pro | ¥84,980 | 57° | 87 g (実測89g) | 単独3DoF 6DoF対応 (Eye装着時) | 2025年7月 | SONY 0.55″ Micro‑OLED/1920×1080 | 700 nits |
唯一気になる点は、XREAL One ProとXREAL Eyeを購入すると約10万円の出費になること。
XREAL Air 2 Ultraより間違いなく使いやすいのですが、Ultraを手放しても5万円程度の差額。さらにインサートレンズも追加でかかります。この出費を良しとするかどうか。悔しいですが、もうしばらく悩みそうです。
悩むほど、素晴らしい機種でした。

最後になりましたが、ご購入の際には瞳孔間距離(IPD)の確認をお忘れなく。
今回はその距離によってMとLの2モデルが準備されています。僕はインサートレンズを作る際にIPD64と測定してもらっていたのでMサイズを利用しました。
ご予約はこちら(7月24日まで5,980円のXREAL Hubが同梱される予約特典があります)
【2025年09月22日追記】
公式の予約注文から2ヶ月。残念ながらまだ本体もXREAL Eyeも手元に届いておらず、それだけがとても残念。特にXREAL Eyeは9月初旬注文で10月末予定とのこと。素晴らしい機種なので人気が出ているのは嬉しい反面、早く手元に届いて欲しいものです。
おまけ
今回、XREAL本社の方に連絡して本機をお借りしました。その時、送られてきた荷物がこちら。

何事かと思って中を開けてみると

なんとたくさんのノベルティが。
話を伺うと、以前ご案内いただいたプレスリリース時に関係各所へ配布したものとのこと。残念ながら東京まで足を運べなかったのですが、こんな形でいただけるとは…。懐の深さに感動しました。

キャップは普通に可愛い。(僕の頭には小さかった…残念)


ピンバッジのザラザラ猫も可愛い。

ベストの造形とファスナーの質が高くて驚きました。背面のXREALは業者感すごいので、来ていると古参アピールできそうです。



一番驚いたのがこのバックパック。多分、普通に使います。



デザインも色味も良いので、しばらく使わせていただく予定です。今後もXREALの製品、楽しみです。


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