先日中古で譲り受けたXreal Air 2 Pro。初代からの驚くようなアップデートは無かった一方、装着感は大幅に向上していて電子調光システムの導入はより自然なかけ心地に。新幹線移動にも強い味方でした。
思い立ってXREAL社に問い合わせをしたところ、最上位のAir 2 Ultraをお借りできたので3機種を比較したいと思います。併せてBeam Proもお借りしたので使用感をメモしておきます。
今回比較するのは
- XREAL Air(初代Nreal Air)
- XREAL Air 2 Pro
- XREAL Air 2 Ultra
の3機種。
先に結論を書くと、予算さえ許せば Ultraにしたいが、倍の値段を払うなら2や 2 Proで十分という印象(電子調光は素敵なので、Air 2 よりはAir 2 Proが良い)
ただ、そもそも予算がないなら中古の初代Airでも良いと思いました。
目次|
1. 各モデルの主な違い
どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
詳細はWebページに任せるとして、Air / Air 2 Pro / Ultraには下記の違いがあります。
Air | Air 2 Pro | Air 2 Ultra | |
重さ | 79 | 75 | 80 |
視野角 | 46 | 46 | 52 |
明るさ | 400 | 500 | 500 |
サウンド | 第一世代 | 第二世代 | 第二世代 |
調光機能 | – | ○ | ○ |
レンズカバー | ○ | ◎ | – |
カメラ | – | – | ○ |
インサートレンズ | ○ | ○ | △(独自設計) |
価格 | 40,980 | 61,980 | 99,800 |
ここで、まず初代Airと2代目 Air 2 Proの話をしておくと、一番変わったと感じたのは装着感。
軽いだけでなく前後のバランスやノーズパットの改善から、とても快適に数時間連続での着用ができるようになりました。
そしてレンズカバーも下から入る光を遮るよう、下側にシールドが追加。これも快適でした。
ただ一つ、シールドの素材も変わってしまっていて、光沢ある素材のため表面に傷がつきやすそうでした。
*
一方であまり変わらなかったのは画質に関して。改めて初代の完成度の高さに驚きました。
とはいえ、明るさが400から500nitに変更されたことで、明るい部屋での表現には明確に違いが出ています。鮮やかさが増し調光機能の追加と併せて嬉しいアップデートでした。さらに先ほど話した通り、レンズカバーに下部からの反射を遮るシェードが追加されたことで室外や明るい服を着ていても画面への反射が気にならなくなりました。
こういう細やかなアップデートにはとても好感が持てます。
このレンズカバーがあれば調光機能は不要という考えもあると思います。予算が限られる方は、Air 2でも問題ないと思いました。しかしAir 2 Proと迷っている方には、調光機能ありのAir 2 Proをお勧めしたいです。単純にロマンがあってかっこいいと思うので。
3段階の調光は、外での作業でも違和感なく装着できる(と思っている)ので、アプリと併せてPC作業の強い味方にもなってくれています。
2. Ultraは5gの増量で視野角が6度変わる驚き
次に、最上位モデルのAir 2 Ultraを見ていきます。
装着感は「やや重くなった?」と感じる程度で、おそらく並べて使わない限りは気にならないと思います。鼻への負担が少しありました。そのくらい5gという差は小さく、それでいてカメラやディスプレイの視野角を高めた技術力は素晴らしいの一言です。
ただ、両脇にカメラがあるのはちょっとデザイン面で苦手に感じました。meta * Ray -Banモデルを彷彿とさせますが、デザインはあと一歩かな?(あくまで主観です)
*
装着して感じたのは、視野角の大きな違いです。
思っているよりも「6度」というのは印象が違っていて、
- 46度|正面に画面があり、四隅まで視界に収まっているように感じる
- 52度|正面に画面が広がっていて、四隅は目で追わないと見えないほど広い
という印象で、例えるとデスクの前に置いているディスプレイを32インチから40インチになったような感じでした。使われているグラス内側のディスプレイユニットを見ると、確かにメガネに対するユニットの占有率がUltraモデルの方が大きくなっているのがわかります。
そして、この躯体にカメラまで入れたのは素直にすごい。
カメラの話で言うと、フローティングディスプレイなどを固定する機能であるブレ防止が「3Dof」から「6DoF」になったこともアップデート。ただし、通常利用において恩恵は思ったより分からなかったです。カメラを利用したハンドトラッキングもデモ含めた一部アプリとしてのみ使用可能なので、通常利用においてはデザインの面でもなくて良いのではないかな?と感じました。
とはいえ、新しい技術は常に実験ですからね。その姿勢は好きです。デザイン的に縁があることで、よりメガネ感が出ました。僕としては、ない方が好みです。
3. Ultraに使えない初代Air /Air 2のインサートレンズ
誤算だったのが、初代Xreal Airで作ったインサートレンズが使えないこと。
そもそもメガネとノーズパッドの両方で大きくデザインが変わっていて、全くはまりませんでした。
初代とAir 2は使いまわせるだけに、とても残念です。
処方型インサートレンズ*(取り外し可能)*XREAL Air 2 UltraのインサートレンズはXREAL Air及びXREAL Air 2のインサートレンズとの互換性はありません
レンタル当初はWebサイトにも記載がなかったのですが、この記事を書いているときに更新があったのかきちんと追記してありました。
つけられるのは嬉しいのですが、追加で約1万円の出費になるのは痛いところです。込み込み11万円。モニターを買うのに比べたら、持ち運べて悪く無い選択肢なのですが。もう一歩、革新が欲しいところです(特に視野角)
4. Beam Proで味わう6DoFと4K映像
併せてお借りしたXreal Beam Pro。
これ、結構面白かったです。
まず感じたのが、最適化されたアプリで見る映像の綺麗さ。
スマホやMacで接続しても映像は観れるのですが、例えば4K映像を視聴すると微妙に解像度が落ちているのを感じていました。その点で「これぞ、4K」という鮮やかな映像をこの機種なら見ることができました。
また、電源を取りながらXrealと接続ができるので連続で何時間でも使えるのも嬉しい。
とはいえ、別途アダプタを買えば電源は気にしない。ケーブルが増えるかどうかですね。
操作体系も使いやすく、スマホがレーザーポインタのように使えるのは楽しかったです。そして側面のボタンから、画面が位置固定されるかゆっくり追従するか選べるのも便利でした。
そして、圧倒的に空間上への画面固定の精度が高い。Ultraモデルの6DoFは活きていました。心地よかったです。
そしてこの機種では空間ビデオや空間フォトの撮影もできます。
これ、初めて見ると面白い機能なのですが、品質や視野の狭さからまだまだ黎明期だなと感じました。
- 視野角が狭いこと
- 映像の解像度が低いこと
- 表示できる大きさが制限されること
これらが解決すると、案外次のコンテンツにもなりうるかなと。楽しみなコンテンツです。
Beam Proを使うことでXrealが生み出した技術の新しさは十分感じられて、スマホよりも手頃な価格なので装置としてはとても魅力的に感じます。
ただ、逆を言えばスマホにその機能を入れて欲しいですね。純正のNebulaアプリがSamsung Galaxy S22 Ultra(auモデル)で全く動作しないので、ここは改善して欲しいと思っています。
5. ケースは初代の形状が良い
ケーブルを巻きつけた状態でも余裕を持って入れられる、初代の形が良かったです。傷も目立ちにくかった。残念。
コードをつけたままだと絶妙に締まらない、新しいケース。おしい。
6. さいごに
予算が許すなら、Ultraモデルが欲しい。そのくらい、視野角が6度広がることによる驚きは大きいです。
ただ、Xreal Air 2も十分感動できます。そして初代Xreal Airはすごかったなと、改めて感じました。
Macbookを利用する際には専用アプリnebula for Macを利用すると最大3つのフローティングディスプレイで作業か可能です。これが思った以上に使いやすく、最近一人で作業する際はサブディスプレイを持ち出さなくなりました。
最後に、Ultraモデルにも3つ惜しい点を感じています。
- カメラレンズが見えることでデザイン的に圧がある点
- レンズカバーが無いことにより下からの反射に弱い点
- 価格が10万円近い点
こうなると、できるだけ安く買うなら初代でも良いかもしれません。もしくは、中古品のXreal Air 2 Proを半額の5万円で購入した方が楽しいだろうな、と思います。Ultra と Proで価格差が約4万円あり、さらに初代とは6万円の差。さらにインサートレンズも作り直す必要がある点はハードルが高そうです。
そして、こうなってくると視野角90のVisorがいよいよ楽しみで仕方ない。
Visor 4Kを待っている以上、僕はXreal Air 2 Proでひとまず我慢。サングラス型デバイス、次はどんなものが出てくるかとても楽しみです。
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