どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
今日は、僕が生まれ育った街で作られたものを紹介します。製品は松葉製作所の『AirPods Pro 木製ケース』

木型屋として70年培った技術で、職人が一枚の木から削り出すAirPods Pro専用のケース。使用木材は家具にも使われる樹種。
作り手は松葉製作所の三代目。日本の気候を理解して反りや割れを事前に防ぐ工夫。オイルの後に蜜蝋クリームによる仕上げ。ケースにスッと収まっていく仕上がりの気持ちよさ。本当に綺麗です。
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2020年3月17日(火)から始まる松葉製作所『AirPods Pro 木製ケース』のクラウドファンディングを前に、このケースを紹介したいと思います。
【2020.04.28 追記】
クラウドファンディングが終わり、100万円の目標額に対して延べ217人から約250万円を集める結果になりました。おめでとうございます!
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目次:
- レトロと最先端のものづくり
- 木の良さを最大限活かすもの
- 便利なものか、美しいものか
- AirPods Pro 木製ケース詳細
- さいごに
1. レトロと最先端のものづくり
僕が生まれ育った広島県府中市は、家具に代表される木工業が盛んでした。「府中家具」は婚礼家具の産地として全国に名を知られたほどです。松葉製作所は府中市で、車のエンジン部品の木型を製作・修理する木材精密加工を得意とする会社でした。

設計は、今も昔も「NEC PC-9801XV 」。30年以上前のパソコンです。

表示が黄色と青と水色の3色。THE レトロ。

この設計図を基にして、0.01mm単位で微調整された機械を使い木材から削り出し。

出来上がるのは、例えば最先端のiPhone専用ケース。

フレームの薄さと軽さに驚くiPhoneケース。最後はノミやヤスリなどを使った手作業で仕上げていきます。
装着する際に「パチッ」と隙間なく収まるケースは手触りも滑らかで、とても綺麗です。
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松葉製作所の木工製品は作りの正確さと美しさ、そして製品コンセプトが評価されて全国的な実績があります。
実績:
・『スター・ウォーズ』コラボレーション限定iPhoneケースの製作 (2015年 9月 4日〜 9月18日)
・Simplism 音質改善iPhone6ケース「響」の製作 (2014年 11月〜 現在終了)
・ANAセレクションプレミアムメンバー限定サイトにて販売 (2014年 4月3日〜 現在終了)
受賞歴:
・ Design for Asia Awards 2019 金賞受賞
・ヘッドフォン祭2019春「その他のオーディオ周辺機器部門」 銀賞受賞
・ 第15回 ひろしまグッドデザイン賞 プロダクト部門 グランプリ受賞
・ ウッドデザイン賞2017 木製品部門 ハートフルデザイン部門受賞 等
松葉製作所:実績 https://www.matsuba-factory.com/news


2011年から既に木製iPhoneケース( 初代は木製 iPhone4S / 4ケース) を製造し、その後はスピーカーや雑貨も展開していた松葉製作所。僕が最初に知ったのは、サカナクションの山口 一郎さんが松葉製作所の木製iPhoneケースを使っていたことを聞いた時でした。
当時の僕にとっては大きな衝撃。地元の知らない小さな町工場(正直な話)が、僕の好きなアーティストが「好き」という製品を作っている。そこが松葉製作所に興味を持ったきっかけでした。
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そんな松葉製作所の「木」へのこだわりを、続けて書いていきます。
2.木の良さを最大限活かすもの
素材になる木は全て無着色の天然無垢材。

硬さも質感も異なるそれぞれの木からケースが作られます。一枚の板から削り出されるケースは正に工芸品。


木材によっては料金は上がりますが、それは希少価値の高い木材だから。
樹種によって色味や木目だけでなく、密度も硬度も水分量も異なります。長年木を扱ってきた松葉製作所は、材を見極め、木の特性を生かし、適材適所にオリジナル製品へ使用しています。
引用:松葉製作所 https://www.matsuba-factory.com/
長年の技術で出来上がった製品の仕上げはオイルと蜜蝋。さらに、飛騨春慶塗 高橋工房に仕上げを依頼した製品もあります。

この丁寧なモノづくりと製作者の松葉さんの人柄に僕は惚れています。

3. 便利なものか、美しいものか
この製品は、たぶん便利ではありません。その代わりにとても美しいと思います。それは、松葉製作所の製品購入ページからも読み取れます。
本商品は周りの環境により反ったり、変形したり、衝撃によって破損したりします。それは木の性質で、木が生きている証だと思っています。これらの特徴をご理解いただける方にのみ、ご購入いただくようお願いしております。
引用:購入ページ https://www.matsuba-factory.com/product-page/
そして、注意書きには以下の記載。
・落とすと割れます
・環境によって反ったり縮んだり割れたりします
・着脱の際に無理に力を入れるとケースが破損します
引用:購入ページ https://www.matsuba-factory.com/product-page/
便利さとは少し離れた製品。丁寧に扱わないと傷つき、壊れる。
人を選ぶ製品だと思いますが、僕はこのコンセプトが大好きです。それはどこか革製品に似ていて、優しく扱うことへの美学がある気がします。そして、もし壊れても松葉さんが修理してくれます。
傷から本体を守るのではなく、本体を大切に扱うためのケース。素材は優しい手触りとぬくもりをもつ木。とても好きです。

4. AirPods Pro 木製ケース詳細
改めて、『AirPods Pro 木製ケース』について。

カラー:ウォールナット / ブラックチェリー
サイズ:本体高さ 52mm / 本体幅 68mm / 本体奥行 24mm
重量:20g
価格:13,200円(税込)
引用: 松葉製作所Facebook https://www.facebook.com/pg/matsuba.factory/
前後は薄く、両サイドは厚く

前後は強度を保てるギリギリの薄さにし、両サイドは敢えて余裕を持たせた厚みにすることで、スタイリッシュなデザインと強度を両立させました。
引用: 松葉製作所Facebookhttps://www.facebook.com/pg/matsuba.factory/
スクエアデザインを採用しているので、蓋を開けた状態でも自立します。
パタンと閉まる蓋

閉まる力は、Airpods Proケース本体のみ。写真じゃ伝わらない、木が触れ合う「パタン」が気持ちいい。
こだわりのピンジ加工

AirPods Pro本体のヒンジはよく見ると複雑な動きをしています。この動きを邪魔せずスムーズに開閉し尚且つ見た目も野暮ったくないデザインを追究しました。
引用: 松葉製作所Facebook https://www.facebook.com/pg/matsuba.factory/

最小限の加工で本体を傷から守る

本体側ケース内側に0.1mm厚のシールを貼ることにより、ピッタリの装着感を損なうことなく着脱時の摩擦を軽減し、AirPods Pro本体に傷が入るのを軽減します。
引用: 松葉製作所Facebook https://www.facebook.com/pg/matsuba.factory/
小さく開いたLEDインジケーター

直径0.8mmの小さな穴を開けることにより、本体のLEDインジケーターを目で確認することができます。
引用: 松葉製作所Facebook https://www.facebook.com/pg/matsuba.factory/
大きく開いた底面

底面を大きく開いた形状にすることにより、純正のライトニングケーブルだけでなくサードパーティーのコネクタにも対応できるようにしました。また、脱着時にキツい場合はこの穴から指で押すことにより外しやすくなります。
引用: 松葉製作所Facebook https://www.facebook.com/pg/matsuba.factory/
Wireless Charging(非接触充電)に対応

もちろん、ケースをしたままWireless Charging( 非接点充電)に対応しています。
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どの箇所を見ても、大切に作られてるのが良くわかります。
4. さいごに
ウォールナットとブラックチェリーから選べる松葉製作所の『Airpods Pro 木製ケース』。クラウドファンディングサイトMakuakeで、2020年3月17日(火):正午より先行予約販売が始まります。

ここまで書きましたが、残念ながらAirPods Proを持っていない僕…。リターンは他にも設定されているとのことなので、楽しみにしています。気になった方はぜひ、ページを訪ねてみてください。


(2020.05.27追記)
6月からは一般発売が予定されているので、ぜひどうぞ。
それでは、また。
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