どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
知る人ぞ知る、外付けキーボードの雄『HHKB』にぴったりの、パームレスト兼キーボードルーフが現れました。『松葉製作所 亀甲名栗(きっこうなぐり)HHKB木製パームレスト&キーボードルーフ』です。(ウォールナットモデル)
『HHKB』はこだわりの耐久性と心地よい打鍵感が素晴らしく、国内外にファンがいるキーボード。一方で、このプレミアムキーボードを利用するときにみんなが気になっていた「キーの高さ」問題と、「持ち運び」や「ホコリ除けカバー」問題。特にキーの高さに関して、手が置けるパームレストはほぼ必須でも、どれも同じようなものばかり。
そんな悩みを一つの製品で解決してくれるのが『松葉製作所 亀甲名栗(きっこうなぐり)HHKB木製パームレスト&キーボードルーフ』です。
目次:
- 製品を眺める
- 使用感と持ち運び
- こだわりの木型職人、松葉製作所
- さいごに
1. 製品を眺める
12月11日(金)18時からオンラインにて開催される「HHKB ユーザーミートアップ vol.4」で発表された本製品。発売当日に、レビュアーとして先行購入させていただきました。
まずは、外観から。
松葉製作所の「松」と、「SUPER COOL PALM REST」の文字。良いですね。松の木も伸びています。
松葉氏によると、デザイナーから「これは盆栽として魅せるしかない」と提案いただいたとか。
引き出すと、幹が育ちます。
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改めて、内容物の確認。
ただのパームレストじゃない。キーボードルーフは、裏面に秘密あがあります。緻密な加工でキートップの高さ分空間を作った、綺麗な木組みです。
細部を眺める
横から見ると、手前に傾斜があるのが分かります。一番手前の薄さよ。
1枚の木を削り出すわけではなく、いくつもの木がパーツで組み合わせられているのがわかります。
裏面。角が綺麗に交わっているところに、職人の技を感じます。
亀甲名栗加工で作られた、表面にある不規則で滑らかな凹凸。
何とも言えない、凹凸の連続。とても綺麗な製品です。
2. 使用感と持ち運び
使用感について
販売中のパームレストに比べて奥行が十分あるため、手首の位置までフォローしてくれます。
パームレストに手を置きながら30分程文字を打ち続けると、ふと休む時に手と木がじわっと「剥がれる」感覚が何とも言えません。
亀甲名栗と呼ばれる表面の加工による、木目への触れ心地と手の置き心地。詳しくは後で書きますが、この加工は一つひとつ手作業で行われます。デザインだけでなく、他のパームレストとは一線を画す肌に触れる心地良さ。
きっと一瞬で伝わるはず。
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持ち運びやホコリ除けのためキーボードルーフ機能は、被せるだけでピッタリフィット。
さすが、70年続く木型屋の技。お見事です。
重さは約200gのため、キーボードと併せて約800g。文字を打つ作業が多い人なら、持ち運びたいサイズ感だと思います。また、「スペースキーの逆さ付け」といったキーの付け替えにもルーフ機能が対応しているとのことで、カスタマイズユーザーも安心して利用できます。
持ち運びについて
せっかくなら、かっこよく持ち運びたい。
そう思ったのですが、木を傷つけないために良いケースがなくて、渋々純正のフリップタイプにしました。
本当はスリーブタイプでシンプルに使いたいのですが、この厚みだと入らないとのこと。
厚いところで約5cm。
綺麗に収まるレザーケースが欲しいです。(松葉さん、よろしくお願いします)
とはいえ、クッション性もあるのでパソコンと一緒に鞄に入れて持ち運べるようになりました。約800gなので、僕は許容範囲です。
3. こだわりの木型職人、松葉製作所
一つひとつを、丁寧にかっこよく仕上げていく松葉氏。
昨年から僕もよく工房へと足を運ばせていただきながら、製品の想いや作り手のこだわりをたくさん聞かせていただいています。精度を高く、ピッタリと作る。それはiPhoneケースや先日発売になったAirPods Proの木製ケースでも活かされています。
そして、製品開発だけでなく積極的にオンライン配信なども取り入れる同社。来週も、オンラインとオフラインを組み合わせたイベントも開催予定。
そんな松葉製作所で、実際に製品ができるまでのお話を聞きました。
製品ができるまで
製品に使われる材木は、全て国産の無垢材。
0.1mmの誤差も出ないほど、精密に削り出されるパーツは並べると隙間なくピッタリと並びます。
木はそもそも空気中の湿気を吸って微妙に変形するため、反ったり曲がったりします。
松葉製作所では、出来る限り反らせた木を0.01mm単位で削り出し、精度の高いパーツを仕上げていきます。70年続く木製鋳型を作ってきた同社だから出来る、精密な加工です。この高さまで積み上げても、一番上の表面がほぼ同じ高さ。気持ちいいほどに高い精度です。
貼り合わせにも昔から使っていた器具を使います。
ただパーツを合わせるのではなく、強度と美しさを保つ工夫が凝らしてあります。
組みあがった後も、積み上げた上面がピッタリと一致。
手を置いたときに丁度いい角度となるよう、4°だけ傾斜を削ります。
そして、表面の加工へ。
そもそも名栗(なぐり)とは、「ちょうな」などを使って木材に独特の削り痕をつける日本古来からの加工技術を言います。婚礼家具の産地、広島県府中市だからこそ残っていた、箪笥を始めとした家具への名栗加工技術。職人(松葉製作所 先代)による手彫りで、一つ一つ削られます。その模様が亀の甲羅のようだったことから亀甲名栗と名前が残ったそう。
最後の造形として手元のカーブに用いる刃は、昭和のオイルショック時に「どうしても仕事がないから、お盆を作ろう」という先々代の仕事の名残だそうです。
残った技術を、今につなげる。ものづくりの面白さがこの製品には詰まっています。
やすりで磨き上げ。通常のやすりを使うと、せっかくの加工が削れてしまうので右のやすりを使うそうです。最後に天然のオイル(木工用みつろうクリーム)を塗って完成。
木は2種類から選べます。ホワイトのHHKBには、明るいブラックチェリーが似合いそうですね。
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本日の発表に合わせて、完全受注生産で購入ができます。
4. さいごに
松葉製作所がこだわりにこだわり抜いて作り上げた本製品。
HHKBを愛するユーザーに、自信をもってオススメできる製品です。
既製品ではなく、1点ずつ作り上げられる製品。HHKBをこだわって使うユーザーには、必ず満足できる製品だと思います。『亀甲名栗(きっこうなぐり)HHKB木製パームレスト&キーボードルーフ』。おすすめです。ぜひ、Webページもご覧ください。
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