この3年間、ディスプレイを手放す生活に憧れています。
その未来を示してくれたXREAL Air(旧 Nreal Air)と、今もこの記事を書く中で使っているMeta quest3。価格度外視で未来を語ったApple Vision Pro。そして、未だ手元に届かない Visor 4K。期待と、進化と、現状。
1. XREALへの期待と現状
どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
Nreal Airを購入したのは2022年の5月なので、もう2年半前。初めてARグラスを手にしたあの時に感じたワクワクは、最新機種のXREAL Air Pro 2で正しく進化したのか。それが気になってしょうがなかった僕は、中古品を購入してしまいました。
見た目はあんまり変化なし。
当時は目の前に30インチくらいのモニターが写せる楽しさで色んな人に見せたのですが、Meta Quest 3を利用してからはどうしても不足感を感じています。
Meta Quest 3の視野角は110と広く、immersedというアプリとの親和性がとにかく高い。一方でXREAL airは49。VIsion Proも視野角は100なので、Meta Quest 3が8万円で買えるのはすごい。(ストラップの購入にプラス1万円かかっておりますが)
目の前にある感覚のXREAL airと、目の前に広がっているMeta Quest 3。
このストラップは、装着感が素晴らしいです。(デザインは除く。一人で使うしね)
ちなみに、新しくMeta Quest 3Sが発売されましたが。僕としては、少し頑張ってでもレンズ性能の高いモデルを購入した方が良いと思っています。感動値が違いますよ。
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Xreal Airの話に戻すと、2年かけて無印からAir 2 Proになり、金額も2万円上がりました。しかし使ってみると、マイナーチェンジ止まり。使い勝手は上がりましたが驚きは少なかったです。
たとえば、梱包ケースが目に見えてコストカットされていたり(簡素なのは悪くないと思うのですが、デザインが少し僕に合わない)
ケースがジップ式から眼鏡ケースのようなパカっとしまる形式になっているのは、良い面かと思ったら
- 重量は80g → 135g と重くなっている
- 中の面積が小さくなって、ケーブルを巻きつけて閉じない
- 傷がつきやすそうな素材になった
という残念な状況。特に、重くなったケースはせっかく軽くなった本体分に加算されて持ち運びが重くなります。
とはいえ、これは外観。
実際に使ってみると、改善点と良い点は多くあります。
- 旧視力調整レンズがそのまま使える
- 装着感が劇的に向上した(これはすごい)
- 明るさが向上し、発色もよくなった
- 音が良くなった(小さな音のノイズ感が消えた)
- Proに備わるエレクトロクロミック調光が素晴らしい
- カバーが下方向まであるので、より没入感が増した
使用感はとても向上しています。ただ、逆に言うと使用感・装着感の向上のみで一番欲しかった「視野角の向上」は行われず。そこがこの形状の難しさなのかな、と感じました。
2. Visor 4Kへの期待とXreal Airの未来。そしてApple Vision Pro
この記事にも書いたのですが、作業空間において「視野角」はとても重要だと思っています。それは「目の前にある」と感じるか、「目の前に広がる」と感じるかの違い。
Meta Quest 3 や Apple Vision Pro にはこの「目の前に広がる」感覚が強く、その理由は視野角の広さにあります。
デバイス名 | 視野角 | 価格(円) | 重量(g) | 解像度(片目) | PPD(Pixel per degree) |
---|---|---|---|---|---|
XREAL Air 2 Pro | 46 | 61,980 | 75 | 1920×1080 | 49 |
XREAL Air 2 Ultra | 52 | 99,800 | 80 | 1920×1080 | 42 |
Meta Quest 2 | 97-93 | 39,800- | 503 | 1832×1920 | 21 |
Meta Quest 3 | 110 | 74,800~ | 515 | 2064×2208 | 25 |
Visor 4K | 100 | 150,000 | 186 | 4000×2000 | ~40 (海外サイトより) |
Apple Vision Pro | 90 | 600,000 | 450 ~ 500 | 3840×2160 ~ | ~38 |
視野角が「100」を超えると広がっているなと、強く感じました。Air 2 Ultraで視野角が52になっていますが、正直感動する違いには至らないのだろうと思います。それ以上に、デバイスにカメラが付くことで取り扱いに気を遣う気がしています。(とはいえ、試してみたい)
Apple Vision ProもApple Store大阪で試遊させていただきました。
30分のデモをする際に、スタッフの方々から「すごいですよね」と耳打ちされることが多かったのですが、正直に言うと大半はMeta Quest 3 で体感できたこと。
Apple Vision Proで感動できた点は
- 専用に作られた空間ビデオと片目4Kの解像度は素晴らしい
- 製品の高級感が高い
- アイトラッキングとピンチによる操作が心地いい
- ハンドトラッキングの精度と精密性が高い
- 現実空間とAR表示の境界線を曖昧にするデザインの妙
一方で感じたのは
- 片目4Kでも、映像コンテンツはMeta Quest 3と大差ない
- 正面以外の映像が流れて感じる。Meta の方が綺麗
- 視野角からかMeta Quest 3の方が没入感高く感じる
- 1時間使う自信がない(30分で目の周りに圧迫感)
- やっぱり重い
と言うところ。
ストラップ調整がかなりシビアで、スイートスポットを見つけるのに難儀しました。そして顔で圧を受け止めるしんどさ。圧倒的にMeta Quest 3の方が使いやすいと感じています。
そう言う意味で、装着感はXREAL Air 2 Proがちょうどいいところではあるのですが。
視野角46に加えて、四隅がどうしてもボヤける印象があります。これが視力調整のレンズのせいなのかと思いましたが、コンタクトレンズを利用しても結果は変わらず。
スイートスポットの小ささも、課題になりそうです。
3. XREAL / Visor / Meta Orion のどこが抜け出すか
現状、ARグラスとしてXREALのシェアは高いと聞きました。一方で、VRチャットなど利用する人たちにはMetaが第一候補(PicoやHTC Viveは未使用)だと思っていて。
そこに割って入ってくれるのがVisorだと思っていたら、9月のイベントではまさかのハンズオン無し。(未完成のソフトを一部利用できたそうです。)
これに関して、Visorがアナウンスを出しています(2024年10月4日現在)
本来はこのイベントとともに出荷予定だったのですが、現状2025年1月ごろを目指しているとのこと。そして予定がずれたお詫びに、このFlare Visor ケースを無料プレゼントしてくれるとのこと。
ケースかっこいいから、ちょっと嬉しいですね。
一方、Metaが先日発表したARグラス「Orion」
Visorが始めに提示していたサングラス型のまま、目の前に世界が広がるように見えます。しかも、ケーブルレス構造でハンドトラッキングまでできている。これはすごい。
操作は手首にリストバンドを巻くことで、指の動きから認識できる。この設計も、素晴らしいと思う。反面、これAppleがやればApple Watchで代替できるのでは?とも思う。そうしたらエコシステムがまた一つ強くなる。
ただ、このOrionにかかる90%がディスプレイコストらしい。それほど、視野角の広いARグラスを実用化するコストは高いとも言えるんですね。ディスプレイの革新が、ARグラスの未来を変えそうです。
4. さいごに
ちょっと前まで折りたたまれていた携帯電話はスマホと名前を変え、最近はHuaweiが3枚に折りたたみ始めました。
一人が一つ持つデバイスとして広がったスマホ。その未来は、MetaもAppleもWearable端末へと変化すると予想しています。その一番近い場所が、多分サングラス型でしょう。視覚のアップデート。
結局、一番利用頻度が高いのはMeta Quest 3。ただ、外で使うことはできませんでした。XREALにも期待しつつ、まずは、来年1月のVisorを楽しみにしながら。もう少し、ディスプレイも併用しようと思います(共有もできないですしね)
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