2024年最初の記事は現在予約受付中のAR・VRデバイス「immersed Visor」について。Apple Vison ProやMeta Quest 3、Xreal Air 2 Ultraと比較します。
どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
テレビやモニターなどの物理的なディスプレイを、1台のゴーグルに置き換える。HDM(ヘッドマウントディスプレイ)・VR/ARヘッドセットと言われる製品群です。なんと呼べば良いかわからないので、今回はヘッドセットとします。
僕の周りではまだ数人しか利用していない仮想マルチデスクトップアプリimmersed。Meta Quest3で大活躍しているアプリなのですが、そのアプリを開発している企業が開発したヘッドセットがVisorです。解像度は片目4KでAppleが2月に発売予定の約50万円するデバイスと同じ。現時点での価格は約15万円〜($949.99|2024.1現在)
1年以上利用しているXreal Air(旧Nreal Air)やMeta Quest 3と合わせて、ディスプレイの未来はどうなっていくのか。今日は考えてみようと思います。
目次
1. 作業環境は複数ディスプレイが欲しい
パソコンで作業を行う際、僕は可能限り2枚のディスプレイを用意します。
例えばオンラインミーティングと議事録、さらに調べ物をする合間にYoutubeを視聴したいなどのマルチタスクだと、1枚のディスプレイで表示領域が足りなくなることがあるからです。そんな時にディスプレイを増やすためには、モニターを買って接続する必要がありました。
15インチ程度のモバイルモニターでは数万円で購入できて、持ち歩くことも可能です。ただし重さは600g〜約1kg程度で、さらに大きさは13インチ以上のものをカバンに追加することになるため、カバンの方にも制約が生まれます。また外出先ではテーブルの広さも重要になってきます。
仮に外出先ではなく、家で作業する場合はもっと大きなモニターがあると便利ですね。デュアルディスプレイとして、コロナ禍でも急速に普及した印象がありますその場合、30インチで5〜30万円の物まで幅広く製品が販売されています。
設置場所さえあれば、USB-Cケーブルを1本繋ぐだけでパソコンと接続してさらにPC充電もできる便利な機能も付属。使い始めてからは手放せなくなりました。一方でモニターディスプレイは10kg程度あり、設置場所も固定されるため一度設置すると移動が難しくなります。そうなると作業場所が決まってしまうことが課題でした。最近はモニターアームや電動昇降デスクなどによって、多少作業姿勢を変えられますが、昇降デスクは重量が30kg程度と重く組み立て設置も一苦労。
結局、作業する場所は机やモニターを置いている場所に依存しているのが現状でした。そんな課題を打開し始めたのが、VR/ARヘッドセットと呼ばれる製品群です。
2. 物理ディスプレイからゴーグルへ
以前からMicrosoftやGoogleが開発しては普及を断念させ続けてきたヘッドセット。
2016年に初代Hololensが登場していますが、僕も現物を1度触れたことがあるのみで一般に普及することはありませんでした。
PlaystaionにもVRゴーグルが登場し、ViveやHTCなどさまざまな企業が製品を開発。そして製品が一気に身近になったのは2020年にMeta(旧 Oculue)が発売したMeta Quest 2だったかと思います。価格が3万円万円台で購入できる、パソコン不要のスタンドアロン型VRゴーグル。僕も新しい世界に感動した一人でした。
Meta Quest 2
VRってすごい。ただし、あくまでも室内用。流石にカフェでこのゴーグルを被る勇気はありませんでした。
加えてできることは「ゲーム」がメインだったように感じました。
仕事利用できるアプリはいくつかあったのですが、(VR会議室やアバターによるオンラインチャットetc)どれも自分が長期的に利用したいと感じるものはなし。1ヶ月に1回触るかな、夏や冬の外に出たくない時にフィットネスやスノーボードゲームをするかな、という利用頻度。
そんな中で次に僕を驚かせてくれたのが、2022年に突如Xrealが発売したXreal Air(旧|nreal air)。
Xreal Air
たまたま発売直後に製品を触る機会があり、「おや、この製品は何か違うぞ」と思ったのを覚えています。
Xreal Airの感動値は本当に高くて、購入直後には知人にかなり紹介していた気がします。
今までのゴーグルとは違い、デザインがサングラスの延長上にあるのでスッキリしていて掛けた時の違和感が少ないこと。さらにケーブル1本でPCもスマホも目の前に表示ができること。これは、モニター選びに革命が起きたかもしれないと思いました。
少し分厚いサングラスとそこから垂れるケーブルに違和感こそありますが、今までの製品の違和感とは比べ物にならないと思います。新幹線の個別座席なら僕は全く気になりません。
バッテリーとキーボードを準備すれば、簡易作業環境が完成するので何度も外で作業に挑戦しました。
ただ、作業やオンラインミーティングなどしていく中で大きな課題が2点。
- 解像度は高いが文字が小さく(遠く)読めない
- 表示領域が狭く目の前に25インチモニター感覚
という課題から、仕事に数時間利用するデバイスとはなりませんでした。たまに布団の中で4時間くらいアニメや映画を見続けるには、最高のデバイスなのですが・・・。
結局、PCを持ち歩いた方ができることが多いという結論です。
そこからさらに約1年。
Meta Quest 3
Meta Quest 3によって、完全なゲームチェンジを体感しました。
正確には、デバイスだけではなく併せてダウンロードして無料アプリ「immersed」によって世界が変わった感覚です。
余談ですがストラップを社外品に変えることで、頭の締め付けが低減されて重量バランスも改善。4時間程度は連続でゴーグルを被ったまま作業ができます。
3. 拡張現実によるマルチディスプレイ環境
immersedとMeta Quest 3 によって生まれた初めて体験。それは現実空間の中に複数の仮想ディスプレイを配置した擬似マルチディスプレイ環境です。
これは体験してみると本当にすごくて、物理モニターいらないかもしれないと本当に感じることができました。
解像度はパソコンとWifiに依存するようですが、2019年製のM1 Macbook Air 13インチで4Kディスプレイ1枚と複数のHDディスプレイを表示しても全く問題ありません。
詳細は他のブログの方々に譲るとして、上の動画の通りです。
加えて
- モニターの位置とサイズはいつでも変更可能
- 解像度も4Kまで対応
- 条件を満たせば5枚まで仮想ディスプレイ設置
- 仮想Webカメラ設置可能
- オンラインミーティングにアバターカメラで参加可能
という目白押しの機能。
デバイスの重量がもう少し軽くなってくれたら最高なのにな、というタイミングで発表されたのが
immersed VISOR 4K
Meta Quest 3の機能性と、Xreal Airの軽量なデザイン製を両立できる製品が生まれたらきっとディスプレイを代替できるのに。そんなことを考えるより早く、発表されていたのが今回のテーマにも挙げた VISORです。
VISORの何がすごいのか、そしてXreal Air と Meta Quest 3で一番の違いは何か。簡単な表にしてみました。
デバイス名 | 視野角 | 価格(円) | 重量(g) | 解像度(片目) | PPD(Pixel per degree) |
---|---|---|---|---|---|
XREAL Air | 46 | 49,980 | 79 | 1920×1080 | 49 |
Xreal Air 2 Ultra | 52 | 99,800 | 80 | 1920×1080 | 42 |
Meta Quest 2 | 97-93 | 39,800- | 503 | 1832×1920 | 21 |
Meta Quest 3 | 110 | 74,800~ | 515 | 2064×2208 | 25 |
Visor 4K | 100 | 150,000 | スマホ程度|〜200 | 4000×2000 | ~40 (海外サイトより) |
Apple Vision Pro | 90 | 500,000 | 450 ~ 500 | 3840×2160 ~ | ~38 |
3機種に加えて、Xrealの最新機種であるAir 2 Ultraと Apple Vision Proを併記しています。
まず使っていて一番の違いは「視野角」です。
Xreal の46という数字は、目の前にモニターがあると思ってください。そして、そのモニター以外の場所には何も表示することができません。つまり、前を向いているうちの正面30インチぐらいのみが有効範囲ということです。
これは使ってみるとわかるのですが狭いです。狭いとどうなるかというと、解像度を高くするほどに文字が小さくなります。視力3.0や5.0の人なら有効に使えるかもしれませんが、視力1.0前後の人には読めません。モニターの代替として使うには、3m先にある文字広告を読んでいるような気持ちになります。
この表示領域はMeta Quest 3が素晴らしい。
次に「解像度」について、XrealとMeta Quesr 3はともにFull HD画質です。これは、作業するにおいて問題ないと言えばないところ。表示の荒さに目が行くような気もしますが、まだまだ対応サービスも少ないため十分なのかもしれません。
とはいえ、Visorの片目4Kディスプレイは興味深い。さらにApple Vision Proが2月にアメリカ発売と聞くと、ワクワクが止まりませんね。
4. 新しい体験の本命は Apple Vision Pro
そして最後に書くのは来月アメリカでの発売が決定した Apple Vision Pro。彼らは、「空間コンピューティング」という新しい概念で製品制作を行なっています。
VRゴーグルでありながら、その中で全ての操作を完結させようとする新しい体験に重きを置いている印象です。
ただし、今日の問いである「物理ディスプレイを淘汰するのか」というテーマで言えば AppleのVision Proはまだ到達するには時間がかかりそう。
というのも、結局家の外で使うことができるかどうか。
まだ、喫茶店でこれを装備するのは勇気が入りそう。
その点、Xreal Airはギリギリできるんですよね。(もちろん、個人差があります)
となると、話題はVisorを外で掛けることができるかどうか。
できる気がするんですよね。となると、いよいよ物理ディスプレイは不要になり始める気がします。
一方で物理ディスプレイの大きな利点として、複数人が同じものを手軽に共有できる点がありますよね。まだデバイスの普及が追いつかないので、しばらくは淘汰されないだろうと予測します。あと数年後にヘッドセットが安価に普及していけば気軽な共有も可能になるかもしれません。
個人作業にいては、僕の物理ディスプレイを淘汰してくれると信じて。到着を楽しみに待ちたいと思います。体験会もアメリカ行きたいなぁ。
(下記リンクからご予約いただくと、僕の励みになりますのでよろしければ。)
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