富士フイルムと出会って10年。
カメラとレンズが増えても、いまだに使いたくなるX-T1。そして世の中にある、中判1億画素のHasselbladやGFX100Ⅱ。方やAppleが開発した空間ビデオフォーマット。過去に戻れば中判フォーマットのフィルムカメラであるプラウベル マキナ67 やGF670。
未来がどうなるか、そしてどんなカメラを使いたいのか。頭の中を整理しようと思います。
目次:
1. 大型センサ or 空間ビデオ
大型センサ
どうも、ミツヒコ(@monotolife)です。
今日はカメラに関して頭の中にあることを、徒然に書き綴ろうと思います。まずはちょうど昨年の今頃、撮影した動画について。
あの頃はまだFullHDで撮っていて、編集しながらもうひと押しを感じていました。写真はX-T1で十分なのですが、動画性能も必要になりました。機材も安定してきて動画はX-T5+XF16-55mmF2.8のセットで4K60p撮影。見るからに画質が向上していて、とても気持ちいい。加えて富士フイルムのF-logというフォーマットを利用すると、明暗差がある工場などでも豊かな階調で撮影が可能。
一方でAPS-CフォーマットのX-T5に感じる課題
- ISO感度が800を超えるとノイズ感
- 知人のフルサイズカメラとの解像感の差
- 夏の動画撮影で起こる熱停止
熱暴走に関しては、X-H2sにして外付けファン利用を検討すれば良いだけだったのですが。どうしてもバリアングル液晶が受け入れられない。ということで、カメラを一つずつ検証していきます。
富士フイルム X-H2S
X-H1が使いやすかったことから通常ならX-H2Sにアップグレードする予定でした。機種における熱暴走対策と高画素は、動画でも写真でも文句ないと思うのですが、どうしても。バリアングル液晶は、苦手です。
写真のことを考えずバリアングル液晶を受け入れれば良いのですが、頑固な僕の心は許してくれませんでした。そうすると、富士フイルムの中でチルト液晶が選べてかつ冷却ファンが扱える機種は1つしかないのです。
それが、GFX100Ⅱ。100万円超えの中判カメラ。
富士フイルム GFX100Ⅱ
価格は120万円。(2024年3月現在)。レンズも30万円程度。つまり、合計価格は150万円。
金額だけ見ると購入を躊躇う価格帯のカメラです。実は大阪の富士フイルムでGFX100Ⅱを触ったことがありまして。その質感やシャッターの音が素晴らしく、もう引き下がれなくなりました。買うならば、GFX100Ⅱ。
もし動画性能がそこまで必要でなければ、一つ前の世代にあたるGFX100Sが中判カメラ入門には良さそうです。
富士フイルム GFX100S
動画撮影性能が4K30pまで。写真の解像度は申し分なし。100Ⅱと比較した時、50万円の差は本当にあるのだろうか。そう思うほど、良いカメラだと思います。
比較があるから、悩んでしまうのですよね。
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ちなみに、この価格帯にはいくつか別軸のカメラもいて。特に写真特化で行くと、みなさんご存知のLeicaです。
Leica M11
写真撮影だけを考えると、みなさんご存知のLeicaからレンジファインダースタイルの最新機M11。お値段は約150万円
当たり前のように150万円。これがブランディングの上手さだと思っています。
フルサイズセンサ搭載で「ライカでしか撮れない」と思わせる、昔から変わらないレンジファインダーシステム。2つの窓から見える像を重ねるフォーカスの合わせ方は、被写体との距離をレンズ越しに意識し始めると言われています。その撮影体験は、してみたい。
そしてマニュアル撮影するとき際に、フォーカス距離が物理的に理解できるレンズ連動型なのが素晴らしい。ここは、僕が好きなFUJIFILMに真似できていないところです。
動画も撮ろうとするなら、SL2も。
そんなLeicaの最高峰レンズは、1本が100万円オーバー。
とはいえ今欲しいとは思っていないのが正直なところ。今度じっくり触ってみたい。
Hasselblad X2D
続いて、GFXシリーズと同じ1億画素センサ搭載のHASSELBLAD。
「月面から地球に帰還した唯一のカメラ」という触れ込みもある、NASAでもされていたカメラ。
僕の知らないカメラ体験も作っている、デザイン性も高いカメラです。デザインだけで見ると富士フイルムよりも好き。特に無駄を削ぎ落としながら尖らせている唯一無二の雰囲気がめちゃくちゃ刺さります。
個性的な写真特化モデルもある。こういう思想はとても好き。
富士フイルム X100Ⅵ
そういえば、コンパクトカメラなのにAPS-Cセンササイズでかつ内臓NDフィルターを利用できるX100Ⅵが実は動画機として最適なのではないか、という悩みも同時に抱えています。
ただ、便利さをどんどん追求して機能を詰め込んでいるのが本当に面白いことか、という悩みを実は内包していたりします。写真特化で考えると、所持しているX100Fの液晶が固定されていることも美しいなと思ったり。
実はシルバーのラインが現行モデルと違うのです。
Blackmagic pocket cinema camera | SONY FX
他にも探せば動画特化のBlackmagicや
SONY FXシリーズもあります。
特にBlackmagic Pocket Cinema Camera 6k proは内臓NDフィルタが6stop分使えるのも良い。画面も明るくてタッチ操作も可能。さらにBlackmagic RAWを使うことで編集時の細やかな調整も可能。
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とはいえ、結局は自分が使う中でワクワクするかという曖昧だけど重要な指標があって。その中で言えば、やっぱり中判フォーマットを搭載したGFX100Ⅱがどんな階調を捉えてくれるのか、使ってみたいと思うわけです。
空間ビデオ
そこに来てもう一つの関心事が、AppleがiPhoneで撮影可能にした空間ビデオ。
iPhone 15 Pro 含む上位機種でのみ撮影が可能な、メインカメラと超広角カメラを利用した奥行きある動画です。
Meta Quest 3でも再生可能となり早速視聴した結果は、一部で囁かれていた「思い出がフラッシュバックして泣きそうになった」という感想を肯定できるものでした。なんというか、その場に映像がある感じがしました。
この感覚は今までのコンテンツには無かったもので、とても新しい。もしかしたら今の動画では超えられない壁が生まれた瞬間なのかもしれないと感じました。
一方で、このコンテンツは再生にVRゴーグルが必須。今後どこまでデバイスが普及するかが直接コンテンツの普及にも繋がりそうです。とはいえ、撮影可能デバイスは今のところiPhoneのみ。まだまだ普及には時間がかかりそうですが、持っている人はたまに空間ビデオコンテンツを残しておくと面白いのではないかと思います。羨ましいです(僕はGalaxyユーザーなので)
2. デジタルとフィルム
ここまではデジタルカメラを選んできましたが、つい先日から気になっているのが中判フィルムカメラ。特に、下の動画をみてから興味が深くなりました。
6×7の中判フィルムカメラ
Plaubel makina 67
最初に興味を持ったのが、Plaubel Makina 67。
ドイツのカメラを日本で作り、レンズはこだわりのNIKON製中判カメラ。NIKKOR 80mm F2.8は35mm換算で40mmと、僕が好きな50mmよりやや広角側。
そしてこのフィルムカメラで一番僕が心踊るのは、1本のフィルムで撮れるのはわずか10枚。
さらに、KodakのGOLD200なら1本1500円弱なので1枚撮るごとに150円。
富士フイルムのVelviaなら1本3000円なので1枚300円。
ここから現像代も含めば、1枚シャッターを切る重みが深まります。それを、体験してみたい。
1984年には後継機種のPlaubel Makina 670が発売。220フィルムにも対応しています。裏紙がないおかげで2倍撮影が可能とのこと。
そしてどちらも30年以上前の機種のため不具合が多く、オーバーホール含めた定期メンテナンスが必要になるようです。特に蛇腹に小さな穴が空いてしまうことや、露出計が使えなくなるなど。それを加味しながら価格20万円〜30万円と、勇気のいるカメラです。
残念ながら、現行で購入可能な220フィルムは1つだけ。これをどう見るか。
富士フイルム GF670
もう一つ、中判カメラかつ蛇腹式でコンパクトに扱えるカメラが富士フイルムのGF670。
こちらは2024年まで富士フイルムが正式にサポートしているが、その後どうなるかは不明。発売日は2009年と先ほどのPlaubel Makia 67から20年も新しく、さらに電子式シャッターを搭載している。さらにパララックス補正も搭載。
一方で最短焦点距離が0.9mなことやF3.5とやや暗めなことが、いまいちキュンとしない。さらに蛇腹右側にレンズカバーが残るため、僕はデザイン面でもときめかなかった。
価格も40万円程度とさらに高くなっています。機械的な安心感は、たぶんこちらの方が新しい分上でしょう。
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3. 現状の使用機材について
「仕事」になってから、主に使っていたカメラはX-H1と X-T5。今はX-T5にSmallrigのケージセットを使っています。レンズはついつい便利ズームXF16-55mmF2.8。動画撮影が増えたことも理由です。
X-T5は動画撮影時に1.4倍クロップされてしまうので、好きな50mm画角で撮りたい場合は23mmレンズが必要(換算値35mm)。そしてX-T5にはボディ内に強力手ぶれ補正が入ったので、問題なく利用できています。
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旅に使っていたのはX100F。充電端子の規格が古い以外は、満足度100点満点です。X100Ⅵは悩む。
(中古10万円で5年前に買ったカメラが、14万円で売られているのは不思議な気持ちです)
次に、レンズ。
ズームレンズは
望遠にはテレコンも利用しています。つければ上記ズームレンズが換算値70 -280mmのF4通し。
初めて買ったXF10-24mmは頻度が減りましたが、気づけば3本のズームレンズを持っています。ちゃんと仕事してるなぁ、としみじみ。
続いて単焦点レンズは
こちらは、思ったより増えませんでした。50mmとか90mmとか買うかと思っていましたが、案外XF16-55とXF50-120 が十分に楽しいからですね。
動画を撮るにあたっては、XF23mmF1.4をずっと悩んで今に至ります。結局いろいろな画角が取れて広角も使える標準ズームレンズが便利なのは、当たり前だけどそろそろ手放してみても良いかな、なんて。
5. おわりに
取り止めもなく頭の中を整理するために書いた記事ですが、悩みは尽きませんでした。そんな記事を書いている途中で楽天市場で美品のPlaubel Makina 67が27万円で見つかりました。購入一歩手前で品切れとなってしまい、良かったような悪かったような。おかげで67と670の違いを調べる時間も生まれたのですが、やはり使ってみたい。
現状、カメラ事情としては
- 動画と静止画でカメラを分ける気持ちはない
- 色が好きな富士フイルムは利用したい
- 中判カメラを体験して、作品作りを深めたい
- GFX100Ⅱ+GF55mmF1.8は、たぶん買う
- ズームレンズを手放して仕事と作品作りがしたい
- 中判フィルムカメラはPlaubel Makina 67を買うと思うが、まだ未定
- シャッター1枚切る重要度を高めたい
- 未来の視聴環境は空間ビデオかもしれない
という思考です。
特にズームレンズを手放して久しぶり単焦点縛りをしながら、自分がどんな思考で仕事を始めるかは観察したいと思っています。合わせてフィルムカメラを扱えると、きっと1枚の写真に対する想いが高まるはず。それに伴って、向かない仕事も向いている仕事も取捨選択が起きるはず。
そろそろ久しぶりにX-T1についてYoutubeでも語りたいと思うので、合わせて取り止めもなく喋ろうかな。
悩ましい。楽しい。プラウベルマキナ 670が欲しいな。
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